ダイエットや美容に興味のある人なら、リンパという言葉を耳にしたことのある人も多いでしょう。エステサロンなどのメニューにも、リンパドレナージュやリンパマッサージなどと書かれていて、ダイエットに役立ちそうな気がします。
リンパとはどういったものなのか、なぜ足の血流改善に効果があるのかを知っておくことで、効率よく体の悩みに役立てることができます。
目次
リンパとは何のこと?流れが悪いとどうなる?
エステサロンの施術などでよく見かけるリンパマッサージですが、そもそもリンパについて詳しく内容を知らないと言う人も多いのではないでしょうか。
血液の中に存在する血漿という成分の一部が血管の外へ滲み出し、リンパ管という器官に回収されたものをリンパ液と言います。リンパ管は私たちの身体中のいたる部分に、血管のように網目状に張り巡らされており、リンパ液はリンパ管を通って身体中を循環し、さまざまな働きをしているということになります。
リンパ液には老廃物の回収と体外への排出や、体内に侵入した細菌などの撃退、免疫力の向上や異物が血管内に侵入するのを防ぐなどの役割があります。このため、リンパの流れが悪くなるとそれらの機能がうまくはたらかなくなってしまいます。その結果、老廃物が体内から排出されないまま溜まりやすくなる、免疫力が低下するなど、体調や美容に悪影響を与えてしまうのです。
リンパの流れが改善されるとどんな良い事がある?
リンパの流れは、ちょっとした生活習慣の乱れなどで簡単に悪化してしまいます。上述したとおり、リンパには私たちの美容や健康にとって重要な役割を果たしています。
そのため、リンパの流れが悪化するのはあまり好ましくありません。滞ってしまったリンパの流れを改善すると、体内に蓄積していた老廃物がスムーズに流れるためむくみも解消され、脂肪も燃焼しやすくなります。
リンパ管と血管は連動している部分も多いので、リンパの流れが良くなるということは血行も良くなることになり、基礎代謝も上がって肌のターンオーバーが促進されて美肌を手に入れることができます。さらに代謝が上がるということは痩せやすい体質になるということなので、ダイエットにも役立ちます。
むくみを改善するために自分でできる対策
女性は男性よりも筋肉がつきづらいため、冷え性になりやすい体質です。筋肉が血管やリンパ液の流れを促してくれるため、その筋肉が足りていないと血行不良を起こしやすいのです。血行が悪いということはリンパの流れも悪くなっているということで、老廃物や水分が体内に滞りやすい状態にあります。そのため、細胞間にこういった余分な物質が滲み出して蓄積し、むくみとして目立つようになるのです。
これらの症状を解決するためには、リンパと血液の流れを良くするしかありません。むくみの気になる部分を念入りにマッサージしたり、半身浴や適度な運動を積極的に行い、悪化したリンパや血液の流れを改善していきましょう。
また、心臓がポンプの役割をしてくれている血管とは異なり、リンパ液は全身の筋肉の動きに連動して流れるもの。デスクワーク中心で運動不足の生活を送っている方は、軽くでも毎日運動する習慣を身に着けたいですね。
体内の老廃物や水分を排出させる作用のある栄養素を含む食材もご紹介します。そういった食材を意識して食事に取り入れていくことも、日々のつらい症状を改善してくれるはずです。
リンパの流れを改善するマッサージの基礎
私たちの身体には、いくつかリンパの流れを司るリンパ節というものが存在します。例えば顎の下の両側や鎖骨、脇の下や脚の付け根、膝の内側などです。身体の左右それぞれに存在し、リンパの流れの出入り口になっている重要なポイントです。リンパの流れを良くするためにはこのリンパ節に向かってマッサージを行い、老廃物などを移動させやすくしてあげることが重要です。
老廃物を排出するには臓器が集まっているお腹に流さないといけませんから、足先や手先に向かってマッサージをしても効果は薄いということですね。この基本を覚えておくだけでも効果的なマッサージが行えるようになりますよ。
むくみやすい足の場合、まずは足首から膝の内側を目指して下から上へマッサージを行います。ふくらはぎを全体的に包むようにしっかりさすり、老廃物を流すようにイメージして膝のリンパ節まで届けます。次に太ももの内側を足の付け根方向へさすり、リンパ節へ導いていきましょう。それぞれのリンパ節もしっかり刺激すれば、より流れを良くすることができます。
リンパに圧を加えるポンパージュのやり方と効果
リンパの流れを改善する方法の一つに、ポンパージュというものがあります。これは圧を加えて吸い上げるという意味の施術で、リンパに詰まっている老廃物を一気に押し流してリンパ管の詰まりを解消し、流れを良くする効果があります。
リンパが詰まっていてはいくら流れを良くしてもそこで滞ってしまい、良い効果が得られないので、冷えやむくみで悩んでいる方はまずポンパージュをして詰まりを解消することが先決なのです。ポンパージュのやり方は、それぞれのリンパ節を数秒間ぎゅっと指で押し、パッと離すだけです。
たったこれだけ?と思うかもしれませんが、水の流れるホースを思い浮かべてください。ぎゅっとホースを押さえてから、パッと離すと、その時だけ水が勢い良く流れますよね。この原理はリンパ管でも同じことで、ただマッサージをするよりも効果的に、老廃物を一気に流すことができるのです。
1ヶ所当たり3回程度行うのが目安で、やりすぎてもあまり意味はないので目安を守りましょう。1日に3回ワンセットを数回行うと効果的なので、気づいた時に意識して行ってみましょう。意外と簡単にできることでリンパの流れを改善できるので、試しにやってみてはいかがでしょうか。忙しい人にもお勧めです。
リンパマッサージと併せて取り入れたい足つぼマッサージ
東洋医学の一つにツボ押しという施術がありますが、これもれっきとした医術の一種です。現代では西洋医学以外の医術に触れる機会があまりないため、本当に効果があるの?と思う方もいるかもしれませんが、やってみると効果をしっかり感じられるものもあります。
ツボ押しは、血管やリンパ、神経など重要な器官が集中しているポイントを刺激することで様々なメリットを得ることができ、足のむくみを解消させる作用もあります。足の裏の中央部分にある腎臓のツボを押して血行を改善させ、内側のかかと方向に向かって滑るようにマッサージすることで尿管や膀胱の働きを活性化させることができます。これにより、足に溜まった老廃物を尿として体外に排出しやすくなるため、むくみの解消に役立ちます。
リンパの流れを改善してくれる成分と食材
足のむくみは、老廃物や水分が蓄積していることが原因です。これを解消するためにはリンパの流れを改善してスムーズに老廃物などを排出する必要があるのですが、食材の中にはそういった作用を持つ物も多く存在します。
例えば、バナナやアボカドなどに豊富に含まれるカリウムには体内の塩分を排出させる効果がありますし、ワインなどに多いポリフェノールや豚肉などに豊富なビタミンは血液をサラサラにして流れを良くする効果があります。アサリやキュウリに含まれるサポニンという成分には利尿作用があるため、水分を効率よく排出することができます。
この他にも様々な食材に有効成分が存在しているので、バランスの良い食事を心がけて三食きちんと食べるようにすると良いでしょう。「これが身体に良いから」とひとつの食材ばかり摂っていては、病気の原因になりかねません。また、塩分を摂りすぎると身体が水分を溜め込んでしまうため、外食やコンビニ弁当、スナック菓子などよく食べる人は要注意です。適度に減塩した食事を目指しましょう。
リンパマッサージの効果を更に引き出すコツ
リンパマッサージはリンパの流れを改善するのに非常に効果があるのですが、そのまま行うより身体が温まった状態で行ったほうが効果も倍増します。身体が温まっていると血行も良くなっているため、マッサージによって集められた老廃物などを簡単に流してくれるようになります。そこで、運動や入浴後のタイミングを狙ってマッサージを行うのが最もお勧めです。
特に運動は脂肪を燃焼させることができるので、血液中に老廃物が出やすい状態になっています。そこでリンパマッサージを行うことでより効率良く足太りやむくみを解消することができるので、念入りに行うようにしましょう。逆に運動後にマッサージをせずに放っておくと、せっかくの運動効果が半減してしまうので注意しましょう。
就寝前と就寝時にできるむくみ対策
足は心臓から最も遠い位置にあり、しかも重力の影響を受けて水分や老廃物が溜まりやすいのでなかなかむくみを解消させることが難しいものです。日中は立ちっぱなしという方も、逆にデスクワークで座りっぱなしという方も要注意。「動かさない」という意味ではどちらも同じことなのです。
足を動かさない生活が続いていると、むくみが一日中出てしまうということにもなりかねません。このため、長時間横になって血液やリンパを心臓と同じ高さにすることができる就寝時は、むくみ解消の絶好のタイミングと言えます。
就寝前には、仰向けに寝て片足を高く上げ、自転車をこぐようにグルグル回すエクササイズをしましょう。筋肉をほぐして血行を良くすることができ、就寝中にむくみを解消することができます。また、寝ている間も着圧ソックスを履いて眠ることで、常に足に圧力をかけて血液を送りやすくすることができます。
足のむくみでもう悩まない!むくみを予防する方法
足のむくみを解消するために血行やリンパの流れを改善すると効果的なのですが、体質によってはなかなか改善が難しいこともあります。最初からむくみが出ないようにするのが理想的なので、予防方法を知っておきましょう。
むくみを引き起こしやすい理由として、塩分の高いものを食べすぎて細胞の浸透圧バランスが崩れてしまうことや、睡眠不足やストレスなどで自律神経が乱れて代謝が低下することなどが挙げられます。喫煙も血管を狭める作用があるので血行を邪魔してしまいますし、栄養バランスが偏ることでも起こりやすくなります。